5月に「Rails開発環境 2012初夏」という記事を公開してそこそこ好評だったので、最近導入してLife-Changingだったツールを「2012夏」バージョンとして紹介しようと思います。今回紹介するのは以下の3つです。
- pow + xip.io
- tmuxinator
- ctrlp.vim
1. pow + xip.io
pow + xip.ioによって同じネットワーク内にある、iPhoneやiPadのような他のデバイスからローカルサーバーに接続できるようになりました。これは、スマホ用サイトやアプリで使うAPIの開発で非常に重宝します。特に、実機でないと確認できないような場面では、pow + xip.ioがないと、ステージング環境にデプロイする必要が出てきて、非常に面倒です。
インストールは、公式ページにあるように以下のコマンドを入力するだけです。
$ curl get.pow.cx | sh
使い方としては、まず、Railsのプロジェクトルートへのシンボリックリンクを.powディレクトリに作ります。
$ cd ~/.pow
$ ln -s ~/workspace/rails/cui-aboutme
すると、これだけでローカルサーバーが起動して、http://cui-aboutme.devでアクセスできます。簡単ですねー。
$ open http://cui-aboutme.dev
同じLANにあるデバイスからは、プライベートIPアドレスを使ってアクセスすることができます。
$ ifconfig
...
inet 192.168.1.4
...
ifconfig等で調べた結果、上のようになった場合、http://cui-aboutme.192.168.1.4.xip.ioで他のデバイスからもアクセスできます。
注意点としては、Lionでは「システム環境設定」→「共有」→「Web共有」を有効にしておく必要があります。これがオフになっててハマりました…><ちなみに、Mountain Lionでは「Web共有」の項目がなくなっていますが、手元では無事に成功しています。
実際にプロジェクトで使っていく中でのTipsをいくつかご紹介します。
powder
powderはpowの操作をカンタンに行うためのコマンドラインツールです。Gemfileからインストールします。
# Gemfile
group :development do
gem 'powder'
end
シンボリックリンクを.powに作る操作や、サーバーを再起動する操作などをカンタンなコマンドで実行できます。
$ powder link
$ powder restart
詳細は公式ページを参照してください。
pry-remote
pryを使っている方は多いと思いますが、powのサーバーはrails sで起動するわけではないので、普通のやり方ではpryを使うことができません。そこで活躍するのが、pry-remoteです。これもGemfileからインストールします。
# Gemfile
group :development, :test do
gem 'pry-rails'
gem 'pry-remote'
end
使い方は、いつものbinding.pryの代わりにbinding.pry_remoteとコードに追加して、実行すると処理が止まります(見た目には分かりにくいけど…)。そこで、
$ pry-remote
と打つと、いつものpryコンソールに入れます。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、公式ページも見てもらって実際に使うと雰囲気がわかるとおもいます。
2. tmuxinator
tmuxinatorは、tmuxで起動するセッションをあらかじめ定義しておいて、コマンド一発で開発環境を起動することができるツールです。gemで配布されているので、bundlerでインストールします。公式ページにしたがって準備します。
$ gem install tmuxinator
$ echo "[[-s $HOME/.tmuxinator/scripts/tmuxinator]] && source $HOME/.tmuxinator/scripts/tmuxinator" >> .zshrc
$ source .zshrc
使い方としては、mux new [project name]でテンプレートを作って、起動するセッションを定義していきます。
$ mux new cui-aboutme
# .tmuxinator/cui-aboutme.yml
project_name: cui-aboutme
project_root: ~/workspace/rails/cui-aboutme
tabs:
- main:
layout: tiled
panes:
- git fetch --prune && git status --short --branch
- curl http://cui-about.me/users
- tig
- vim: vi
- app:
layout: even-horizontal
panes:
- rails c
- tail -f log/development.log
- test: guard
- 各項目で、起動時に実行するコマンドを定義しています。
- tabsで起動するタブ毎の設定を定義します。上の設定例だと、「main」「vim」「app」「test」の4つのタブを起動します。
- panesでタブ内で分割するペインを定義し、layoutでペインの配置を定義します。上の設定例だと、「main」タブに「git fetch等gitの操作」「curl等シェルの操作」「tigでコミットログのビューワー」の3つのペインを起動します。
その他、いろいろな設定ができるようなので詳しくは公式ページをご覧ください。
3. ctrlp.vim
ctrlp.vimは、Ctrl-pで起動するファイラーです。unite.vimと近いのかもしれませんが、僕はこっちの方がサクサクしてて操作もわかりやすくて好きです。下はスクリーンショットです。
.vimrcで以下のように設定しました。
" .vimrc
Bundle 'kien/ctrlp.vim'
let g:ctrlp_cmd = 'CtrlPMixed'
let g:working_path_mode = 'rc'
let g:custom_ignore = {
¥ 'dir': '¥.git¥|vendor/bundle¥|tmp',
¥ 'file': '¥.jpg$¥|¥.jpeg$¥|¥.png$¥|¥.gif$¥|¥.log'
¥ }
- Ctrl-pで起動するモードを file + mru + bufferを同時に検索するMixedにしています。これで「現在のディレクトリ以下」「よく使うファイル」「バッファ」の中から検索します。
- 'rc'モードにすることで、.gitがあるディレクトリを優先するみたいです。
- vendor/bundleやtmpといったディレクトリや*.logのような大きいファイルを無視することで、起動をスムーズにしています。
その他いろいろ設定があるようなので、ヘルプや公式ページをご覧ください。