▲5六銀型対棒銀
2024-05-12#先手中飛車
居飛車に対しては対策されていそうな▲6六銀型ではなく▲5六銀型を指しているのだけど、シンプルに棒銀を仕掛けられることがよくある(図の△7五歩)。自分なりに対局経験が多い形なので、整理して確実にものにしたい。
△7五歩に対しては▲同歩の一手で、次の手は定跡書では△8六歩と突き捨てを入れてから△7五銀といくのが有力されている。単に△7五銀ととると、すかさず▲5四歩と角交換を迫り激しい展開に入るため、あとで△8六歩が入らない可能性があるのが理由だと思っている。
ただ、自分の実戦経験では単に△7五銀と進むことがほとんどなので、この変化をちゃんと調べたい。
△7五銀・▲5四歩の変化
先述の通り、△7五銀には▲5四歩と角交換を迫っていく。次に▲5三歩成でと金を作られては敗勢となってしまうため▲5四歩には△同歩しかない。
▲2二角成、△同銀と進んで、中飛車側は▲6五銀と繰り出すのが自然だと思う。ここから居飛車側の選択肢はいくつか考えられそうだ。
△5二金
一見すると自然そうな△5二金を先に見てみる。実戦的にも既に5二に金が上がった状態でこの局面を迎えることもありそうだ。
▲5四銀と歩を払うと、次に▲5三歩、▲7一角、▲5五角という手がすぐに見えるためすべてを受けるのは大変そうだ。いずれも受けるには△6四銀くらいになりそうだが、▲5三歩、▲7一角とゴリゴリ攻めていけば中飛車が優勢になりそうだ。
△3二玉
玉を戦場から遠ざける△3二玉も考えられそうだ。こちらも戦いが起こる前に△3二玉、▲3八玉の交換が入っていることも多いはず。
▲5四銀、△5二金には▲5三歩で拠点を作ってからこちらも▲3八玉としておく。居飛車は壁銀を解消して玉の懐を広げる一方で中飛車は成銀を作っているためそこまで形勢に差はなさそうだが、居飛車側が仕掛けた棒銀は不発に終わっており中飛車としては不満がない展開だ。
△8六歩の変化
単に△7五銀と進むと、上述のとおり棒銀が不発に終わってしまう。なので、△8六歩と突き捨てる手が本命と言えそうだ。△8六歩、▲同歩、△7五銀と進んでから、さきほどと同様に▲5四歩と進めるとどうなるか見てみる。
今度は△8六歩の突き捨ての効果で角交換のあとで△8六飛と飛車が走れるようになっている。その結果、▲5四銀と進めても△5七歩、▲同飛、△5六歩と飛車を抑えられてしまう。
よって、中飛車はこのタイミングで角交換を挑むと居飛車に飛車を捌かれてしまうため、別の手を探す必要がある。
▲3八玉でじっと囲いに手をいれると、次の△8六銀がどうなるだろうか。△8六銀には▲6六角とかわすだけでよく、△8七銀成に対しては居飛車の飛車先が重くなったと見て角交換を挑めば先ほどのように飛車を捌かれる展開にはならず中飛車側が優勢と言えそうだ。
△8七銀成はあまりいい手とは言えないので、おそらく△7五銀と引いて銀と引き換えに竜を作る手も考えられそうで、これは激しい展開になりそうだが中飛車側がじっと▲3八玉と入った手が活きてきそうだ。