対三間飛車△3六歩
2023-12-18#中飛車左穴熊
中飛車左穴熊が相手にすることが一番多い三間飛車について調べていきたい。
まずは、三間飛車側から3筋を突いてきた場合から見る。
▲同歩と取ってしまうと、△同飛となり、次の△7六飛が受けにくくなってしまう。なので、△3六歩には▲3八銀と上がるのが菅井流と呼ばれる手で、この場合の定跡になっている。
このあとに△3七歩成と△3四飛の分岐がある。それ以外の手は△3四飛と同じように考えられるはず。
△3七歩成
▲3八銀に対して後手が歩を取り込んできた場合、当然▲同銀と取り返す。手順に銀を進められるので先手としては手得していると言えそう。
後手は△3六歩と打って、拠点を作りに行く。これに対しては▲4六銀と避ける。
△4四歩
後手は3筋からの突破を狙うため、△4四歩と突いて次の△4五歩から銀をどかしにいく手から考える。
この手に対しては▲3八飛と3筋に飛車を回して3筋を受けておけば△4五歩と突かれても問題ない。
その後の方針としては、右図のように穴熊に囲いつつ△1三角に▲3五歩として▲5四歩から角をさばいていくのが一例となるだろう。
△3四飛
△4四歩に代えて△3四飛と浮いた場合、次の△2四飛に備えて▲2六歩と突いておく。これは△2四飛に対して▲2八飛と居飛車に戻す狙いで、仮に△7四飛と角頭を狙われてもそのまま▲2四歩や▲3五銀で2筋の突破を見ている。
この形は後手は高美濃に組みにくいのと、居飛車に戻されると飛車先を受けにくいという弱点がある。△6四歩と突いた瞬間に▲3五歩と打たれると縦に引くしかなく、そこから▲2四歩、▲2八飛が非常に受けにくい。
中飛車としては、ここから穴熊を完成させにいき、▲3八飛や▲2八飛に振り直して攻めていく方針になる。
△3四飛
三間飛車側は△3七歩成と指すと手順に銀を繰り出されてしまうため、じっと飛車を浮いて△3三銀からこちらも銀を繰り出していきたい。
これに対して中飛車側は▲5六飛と上がって△3七歩成を催促する。これで△3七歩成、▲同銀と進む。
△3三銀
5六の浮き飛車に対して△3三銀、△4三銀と繰り出してプレッシャーをかけるのは有力な作戦。中飛車側はいったん穴熊を完成させたいので、▲9九玉、▲8八銀と進める。
△4五銀に対しては▲5九飛と下がるか、▲2六飛と2筋に逃げる手が考えられる。どちらもありそうだけど、個人的には▲5九飛と下がる方が飛車が広く、▲8六角から5筋を狙う筋もあるため方針が分かりやすいかなという印象がある。
△2四飛
△2四飛から揺さぶりをかけるのも有力。▲3八金と上がって2筋を受けると、4九に角を打つスキができるため、後手は△5四歩から角交換を迫ってくる。
△4九角は△6七角成と△2七角成を狙っており非常に受けにくいので、角交換を拒否していきたい。そこで、△5四歩には▲4六銀で受ける。
後手は「歩越しの銀には歩で対抗」の通り、△6四歩からコビンを攻めるが、▲6八角で▲7七銀と下がるスペースを空けておく。
以降は中飛車は注意を払いながら穴熊に囲っていき、局面が落ち着いてから角交換に応じていくとよいだろう。