相中飛車の序盤のパターン
2024-01-04#相中飛車
中飛車を指していると、どうしても相中飛車は避けられないのだけど、相振り飛車以上に定跡化されていない戦型で棋書もほとんど存在しないため、自分である程度パターンを整理していく必要がある。
そこで、今回は実戦でよく見かける序盤をパターン化してみた。
二枚銀
いきなり二枚銀にして中央突破を狙ってくる指し方をけっこう見かける。
数の上では二枚銀の方が多いのだけど、相中飛車においては△5五飛に対して▲6六角と打つことができ、単純な数の攻めは通用しない。
その後は「歩越し銀には歩で対抗」の格言通りに▲6六歩と突いていく。
▲6六歩で角道が止まったのを見て△5五歩と突く手には、▲6五歩の「突き違いの歩」で対抗できる。以下、△同銀と取れば▲7七桂や▲5六飛から銀を取りに行ける。
なので、△5五歩とは行かずに△7三桂、▲7七桂とお互いに桂馬を跳ねる形となる。次の△6二金はどこかで△6五銀と浮いたときに▲6八飛が銀取りと▲6三飛成の狙いに入るため、それを事前に受けた手となる。
以降は桂交換から、▲7八飛と三間に振り直して薄くなった7筋を攻めていくのが分かりやすい。
角道クローズ型
相中飛車の後手番では角道を開けずに銀を繰り出す形もよく出てくる。角道を開けた後だと△4二銀と出れないため、銀を先に繰り出してから角道を開ける工夫をしている。
先ほどと同様に△6四銀には▲6六歩と突いて「歩越し銀には歩で対抗」し、△5五歩には▲6五歩と突き違いの歩で対応する。以下、角交換から△5五飛に▲7七角で香をとることができる。
先手としては、▲6五歩から角交換を挑んで向かい飛車に組み替える方針や、右図のように▲7七桂、▲9七角から中央を攻めていく方針が考えられそうだ。
先後同型
後手が先手と同じ手を指し続けていく展開もある。
お互いに美濃囲いまで組んだら、向かい飛車か三間飛車に振り直して相振り飛車の将棋になっていく。この際、5筋から駒を交換しあっても先述のとおり、最後に▲6六角のような手で交換を仕掛けた側が損になる。